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梱包(荷姿)や素材、緩衝材の種類をまとめて解説!
梱包方法

梱包(荷姿)や素材、緩衝材の種類をまとめて解説!

当ページでは、荷姿・梱包の種類や特徴、梱包のタイプを選ぶ時のポイント、緩衝材の種類などについて詳しく解説しています。
安全かつ低コストで、なるべく積載率を上げて目的地へと内容品を輸送するためには、梱包に関する基礎知識やポイントを押さえておくことが大切です。

荷姿・梱包の種類

荷姿(にすがた)とは、輸送される荷物の外観を表した物流用語です。
輸送される荷物の大半は梱包されているので、荷姿は「梱包されている荷物」と考えて差し支えありません。
以下、主な荷姿・梱包の種類と特徴を確認してみましょう。

木箱梱包

内容品の重量が1.5t以下の貨物用として用いられる梱包の一種です。国内向けの梱包だけではなく、輸出用の梱包としても広く用いられています。
内容品の重量に応じ、Ⅰ形かⅡ形、いずれかの木箱を選択。Ⅰ形は200kgまで、形は1.5tまで梱包可能です。形が形の内箱として用いられることもあります。
なお、1.5tを超える重量の内容品については、別途にて強度計算した上で木箱を設計することとなります。
構造は、Ⅰ形とⅡ形ともに「密閉張り」「密閉合板張り」「すかし板張り」の3種類。
国内包装においては「すかし板張り」がよく用いられています。

バリア梱包

主に輸出用の梱包において、輸送中の内容品の錆びを防ぐことを目的に選択される梱包です。
荷物の周りを防水性に優れたバリア材で覆い、内部から空気を抜いて乾燥剤同梱の上で輸送します。
なお、バリア材の主な材質はアルミなので(メタルバリア)、外部から内容物を確認できません。
そのため、内容物の税関調査が必要となる輸送の場合には、内部にケイ素などの粉末を交えた「透明バリア」が用いられます。
「透明バリア」とは言っても、完全に透明なわけではありませんが、外部から内容物を確認するには十分な透明性を持ちます。
通常のバリア包装より高い防錆効果を求める場合には、内容品をバリア材で覆う前に、気化性防錆フィルムで製品を包む方法が選択されることもあります。
更に高い防錆対策が必要であれば、バリア材の内部に窒素ガスを封入し、梱包内部を無酸素にする方法も行われます。
いずれの場合でも、通常のバリア梱包に比べて手間や時間、コストが掛かることは避けられません。

パレット梱包

段ボール箱で個装された荷物をパレットの上へ積み上げてまとめ、荷崩れ防止用に固定されたものをパレット梱包と言います。
梱包の一種に分類されますが、基本的にパレットは荷役台の役割。パレットの脚と脚の間にフォークリフトの爪を差し込めば、そのまま荷物を持ち上げて移動させることも可能です。
パレットの素材は木材、スチール、アルミ、プラスチックなど様々。サイズは一般的に「1,100mm×1,100mm」ですが、荷物の種類に応じて他のサイズから選ぶこともできます。
パレット上に乗せた荷物については、浸水などを防ぐためストレッチフィルムなどで周りを固めます。
基本的に透明なフィルムを用いるため、外部から内容物の種類を確認したり、そのままの状態で在庫管理したりできます。

スキッド梱包

スチールや木材で形成された腰下(スキッド)の上に荷物を固定し、荷物が床面へ接しないようにしただけの梱包です。荷物の周りを梱包材で覆うことはありません。
パレット梱包に似た梱包方法ですが、荷物の上積みができないため積載率は高くありません。
そのため、コンテナ個分を満たすほどの大きな荷物を輸送する際に適している梱包となります。
なお、海外輸送でスキッド梱包をする場合には、コンテナ自体を外装容器とし、その内部にスキッド梱包した内容品を配置します。
コンテナから内容品を取り出す際には、内容品を損傷しやすいので慎重さが要求されます。

すかし箱

すかし箱とは、木材やスチールの板が網目状に形成された箱による梱包のこと。
板と板の間にたくさんの隙間があるため、基本的には防水対策の必要がない内容品の梱包に用いられます。
隙間のない密閉箱と同様に加工しやすい点が特徴ですが、隙間がある分、密閉箱よりも少ない材料で形成できるためコスト削減につながります。

スチール梱包

スチールを使った密閉箱やすかし箱、スキッド梱包などを総称してスチール梱包と呼びます。
木製の梱包に比べて容積を小さくできる反面、作成してしまうと大きさや形状の微調整がしにくい点、製造コストが高い点など、いくつかのデメリットがあることは否めません。
また、スチール容器には規格がないため、製造会社による独自設計にならざるを得ない点も、スチール梱包のデメリットとなるでしょう。
内容品の形状にもよりますが、重量が2030t超になるかどうかが、コスト面から見たスチール梱包の採用基準となります。

段ボール箱

軽量貨物で一般的に用いられている段ボール箱による梱包。
輸送現場では、段ボール原紙を貼りあわせて強度を高めた二重段ボール、三重段ボールなどもよく用いられています(強化段ボール箱)。
また、やや重量のある内容品を輸送する際には、スキッドと段ボール箱を組み合わせた梱包が用いられることもあります。
軽量で取り扱いが簡単な段ボール箱ですが、よく知られている通り、水濡れに弱い点が段ボール箱の大きな弱点。
また、長時間にわたって重ねたままにしておいた場合、変形してしまうことがある点も段ボール箱の弱みとなります。
段ボール箱を梱包に用いる際には、これら弱点が露呈しにくい輸送方法を検討する必要があるでしょう。
なお、一点ものを梱包する場合、大きさによっては段ボール箱より木箱のほうがコスト面と納期面の両面で有利になることもあります。

バンドル梱包

荷物をバンドルで固定するだけの梱包スタイルです。
輸送中、他の内容品や輸送車両などの床、壁などとの接触が避けられないため、多少の衝撃があっても問題ないもの(鉄材や配管など)が梱包の対象となります。
衝撃によって荷崩れしないよう、バンドルの素材には鋼線などの頑丈なものが用いられています。
他の梱包に比べて低コストなので、費用を抑えて輸送したい場合には検討してみたい方法のひとつです。

緩衝梱包

包装容器の内部に緩衝材を入れる梱包方法です。緩衝材に衝撃や振動を吸収させることで、内容物の損傷リスクを抑えます。
緩衝材の種類は、エアキャップや段ボール、発泡スチロールなど様々。
重量のある内容品を保護するために用いる「吊り梱包」(ばねなどによって内容品全体を浮かせる梱包方法)もまた、緩衝梱包の一種と考えて良いでしょう。
なお、緩衝材は、それぞれの種類に応じて衝撃吸収率が異なるため、内容品に応じた適切なタイプを選択しなければなりません。
例えば気泡シートや段ボールなどは、一度潰れてしまうと衝撃吸収率がほとんどなくなるため、精密機器などの輸送には向きません。

密閉箱

木材や金属などの板で全体が密閉されている梱包です。主に工作機械や産業機械の収納などに用いられています。
板で完全に密閉する梱包方式であることから、内容物の防護性能が非常に高く、防水対策や盗難対策にも有効。
輸送現場では広く用いられている梱包なので、実績における信頼性にも問題ありません。
加工がしやすいことから、小ロット短納期の梱包・輸送にも適しています。

国内梱包・輸出梱包という分類もある

以上が梱包の主な種類ですが、別の視点として、梱包は発送先の違いにより「国内梱包」と「輸出梱包」に分けることもできます。

国内梱包

荷物の輸送ルートが「国内から国内」となる際の梱包を、国内梱包と言います。
国内梱包の場合、一般的には運送会社から「梱包しておくこと」が要件とされます。また、送り先からの依頼で「梱包しておくこと」を依頼されることもあります。
運送会社も送り先も、作業の効率化を目的に梱包を求めてくることがあるということです。
なお、国内輸送の場合、離島などを除けば輸送距離が短いため、積み替えは多くありません。
また、海外輸送に比べて荷物の取り扱いも丁寧なので、一般的には木枠のすかし箱が用いられています。

輸出梱包

荷物の輸送ルートが「国内から海外」となる際の梱包を、輸出梱包と言います。
海上輸送で輸出する場合、海上コンテナか在来貨物船かにより荷物の取り扱いが異なります。
また、コンテナが現地で陸揚げされた後、トラックに積まれて別の目的地へと移動することも多いため、輸送ルートや輸送方法次第では、特に頑丈な梱包が求められます。
一方、航空輸送で輸出する場合には、梱包の軽量化が最大のポイントになるでしょう。
なお、輸出梱包であっても、軽量・小型の荷物については、国内梱包と同様に木箱や段ボール箱やすかし箱による梱包などが一般的に用いられています。

【参考】商業包装と工業包装について

梱包と似た用語に「包装」がありますが、広義では包装も梱包の一種とされています。
店頭で販売されている商品の一部となっている包装(牛乳のパック、缶詰の缶など)は「商業包装」、商品の輸送や保管を目的としている包装は「工業包装」と区別されます。

包装材の種類と役割

梱包材とは、梱包に用いる資材の総称です。大別して「容れ物」「緩衝材」「その他」の3つに分けられます。

容れ物

段ボール箱やプラスチックコンテナなど、内容品を容れる箱や容器をまとめて「容れ物」と言います。
同じ発送先の内容品を効率的にまとめる役割の他、輸送中の衝撃などから内容品を保護する役割があります。

緩衝材

発砲スチロールやエアキャップ、クッションペーパーなど、内容品と内容品、内容品と容れ物の隙間を埋めるように入れるものを「緩衝材」と言います。
内容品同士、または内容品と容れ物との接触・刺激を緩和させる役割があります。

その他

容れ物に封をするテープ、縛るための紐、封入用の袋、荷札など、梱包には「容れ物」と「緩衝材」の他にも、様々な材料が使われています。

梱包のタイプを選ぶ時のポイント

梱包のタイプを選ぶ際には、梱包する内容品の種類や寸法、および包装コストに注目しましょう。

内容品の種類

内容品の種類に応じ、適切な梱包のタイプが異なります。
例えば一般的な食品や飲料の場合、販売単位の入り数や配列(2×3列など)を考慮した梱包を選ぶことが多いでしょう。
内容品が瓶の場合には、衝撃によって瓶が破損しないよう緩衝材や組仕切りも検討する必要があります。
精密機器の場合には、緩衝材や固定材はもとより、付属品とあわせて箱への入れ方も工夫が必要になるでしょう。
内容品の種類に応じ、それぞれに適切な梱包のタイプを選ぶ必要があります。

内容品の寸法

内寸法については、内容品の実寸に対して余裕寸法を加味した大きさとします。
余裕寸法が大き過ぎると内容品の破損リスクが高くなり、逆に余裕寸法が小さすぎると内容品の出し入れが大変になります。
内容品の性質やユーザー層の好みなどに応じ、適切な余裕寸法を検討することが大切です。

包装コスト

内容品の包装にはコストが掛かります。なるべく内容品を傷つけないよう輸送・保管したいならば相応に頑丈な包装・梱包を選ぶべきです。
しかし、頑丈な梱包にすればするほどコストが高くなることも事業者は考慮しなければならないでしょう。
もとより、どんなに頑丈な梱包にしたとしても、例外的な事故などで内容品が破損する可能性は残ります。
包装コストも十分に考慮し、適切な包装・梱包のタイプを選ぶことが大切です。

包装に関連する主な資格

梱包に関連する主な資格として、「一級工業包装技能士」「梱包管理士」「包装士・包装管理士」などがあります。
必ずしも包装をする上で資格が必要なわけではありません。
しかし、梱包は、単に「内容品を包むだけ」の行為ではありません。内容品を傷つけずに良質な状態のまま目的地へと輸送するためには、内容品の種類や大きさ、取り扱い上の注意点などを熟知した上で適切な梱包をする必要があります。

一級工業包装技能士

都道府県知事が実施している包装の国家資格。
工業包装に関する学科試験、および実技試験の合格者が資格を取得します。

梱包管理士

日本梱包工業組合連合会が主催する「梱包管理士技術認定講座」(東京都認定)を修了し、認定試験に合格すれば資格を取得できます。

包装士・包装管理士

包装関連の資格の中で、もっとも古くからある資格。
包装関連の研修を受けた後、認定試験に合格すれば資格を取得できます。

段ボール箱を設計する流れ

段ボール箱を梱包に利用する際は、内容品の大きさや形状にあわせて段ボールを設計する必要があります。
内容品によっては、個装箱や固定材、緩衝材、仕切りなどを考慮した設計とします。
段ボールの設計によって内容品の保護力が上下するため、内容品の性質によくマッチするよう入念な設計をしなければなりません。
内容品の保護力だけではなく、梱包や開梱する際の手間も考慮して段ボール箱を設計します。
段ボール箱の設計が不適切な場合、輸送中に内容品が損傷してしまうリスクが高まります。
損傷すれば、返品・交換の手間やコストが掛かるだけではなく、最悪の場合、業者の信頼失墜にもつながりかねません。
輸送を伴う業者において、段ボール箱の設計はビジネス上の重要な項目になると理解しておきましょう。

段ボール箱を設計する流れ

段ボール箱の設計の流れを簡単に見ておきましょう。
1. 内寸法の決定
2. 箱形状の決定
3. 必要な強度に応じた材質の決定
4. 内寸法・材質に応じた外装箱の設計(展開寸法)
5. 包装コストの検討
6. 包装仕様の決定

「内寸法の決定」の段階では、内容品の入れ方(配列や入り数など)や固定の仕方(仕切り、発泡スチロールなど)、緩衝材の種類や量なども考慮して検討します。
また、「箱形状の決定」の段階では、作業性や機能性、コストなども考慮して検討します。
なお、同種の内容物を大量に輸送する大手メーカーなどにおいては、包装試験から輸送試験を行った上で問題のない設計と判断されたのちに段ボール箱の量産体制へと入ります。

緩衝材の種類

梱包に関連し、主な緩衝材の種類についても確認しておきましょう。

エアキャップ

「プチプチ」という名前で商標登録されているポリエチレン製の緩衝材です。表面に小さな気泡がたくさん並んだ外観で、気泡の大きさは大小様々です。
基本的にはシート状のため、内容品の大きさや形状などにあわせ、自由に切って利用することが可能。シート状の他にも、封筒タイプや平袋タイプなども用意されています。
手軽に利用できて、かつコストパフォーマンスも良好な緩衝材として、多くの業者で広く利用されています。

エアー緩衝材

ポリエチレン製のフィルムに空気を容れたタイプの緩衝材。
安くて扱いやすいため、近年は様々な梱包の緩衝材として活躍しています。

紙製緩衝材

100%紙製でできた緩衝材。
様々な形状の内容品にあわせ、形を変えたり量を調整したりできる汎用性の高い緩衝材として人気です。
柔軟性や軽量性が特徴である一方、軽い内容物だけではなく重い内容物にも利用が可能。紙なので、受け取った側でも手軽に処分できます。

クッションペーパー

紙に網目状の切り込みを入れた緩衝材。内容品の形状にかかわらず、様々なものを包んで衝撃から守ります。
ただし、クッションペーパー単独での緩衝効果はやや低いため、他の充填材などを併用して使用することがほとんどです。

発泡スチロール

代表的な緩衝材として、長く利用されている発泡スチロール。
内容品の大きさや形状にあわせて形成できるため、大型の内容物から小型の内容品まで、定番の形状からオリジナルな形状まで、基本的にはどのようなものでも梱包できます。
固定性能も優れているため、輸送中に内容品が動く心配もありません。
なお、密閉した発泡スチロールには保冷・保温効果もあることから、冷凍食品や冷蔵食品などの輸送にも適しています。

バラ緩衝材

マユのような形をした緩衝材。発泡スチロールやコーンスターチなどが素材に用いられます。
軽量かつ衝撃性能に優れた特性を持つ緩衝材です。

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